h concept DESIGN COMPETITION 2022 受賞作品
テーマ
20年後も愛せるプロダクト
アッシュコンセプトは、流行りもの、一過性ではない、
ずっと残っていくような製品づくりをしていくべきだと考えています。
20年という節目を迎え、
オリジナルブランド+d、第1号の「アニマルラバーバンド」は
今でも色あせずに私たちをワクワクさせてくれます。
ながく愛せるデザイン。
今回は、次なる「アニマルラバーバンド」を目指したデザインを募集し、
全310点の作品から、
最優秀賞1点、優秀賞2点、審査員特別賞6点を決定。
2022年11月11日、授賞式を開催しました。
h concept
DESIGN COMPETITION
2022
受賞作品
テーマ
20年後も愛せるプロダクト
アッシュコンセプトは、流行りもの、一過性ではない、ずっと残っていくような製品づくりをしていくべきだと考えています。
20年という節目を迎え、オリジナルブランド+d、第1号の「アニマルラバーバンド」は今でも色あせずに私たちをワクワクさせてくれます。
ながく愛せるデザイン。今回は、次なる「アニマルラバーバンド」を目指したデザインを募集し、全310点の作品から、最優秀賞1点、優秀賞2点、審査員特別賞6点を決定。2022年11月11日、授賞式を開催しました。
今後は受賞デザイナーとともに、製品化を目指した開発に取り組んでまいります。
製品化の際には改めてご案内いたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。
製品化を控える作品がございますため、現時点でのプロダクト画像・デザインの公表を控えております。何卒ご了承ください。
今後は受賞デザイナーとともに、
製品化を目指した開発に取り組んでまいります。
製品化の際には改めてご案内いたしますので、
ぜひ楽しみにお待ちください。
製品化を控える作品がございますため、
現時点でのプロダクト画像・デザインの公表を
控えております。何卒ご了承ください。
最優秀賞
Canary Whistle
HCJ / ヒューマンコード・ジャパン株式会社
堀江 勇人
カナリアをモチーフにした防災用救助ホイッスル。地震大国の日本では防災意識が高く、以前から防災のためのプロダクトが考えられてきた。「Canary Whistle」は、かつて毒ガスを感知し人々に危険を知らせてくれたカナリアのように、自らの居場所や危険を周囲に知らせてくれる。枕元の壁やサイドテーブルに置いたり、鞄やポケットに入れて持ち運ぶなどシーンに合わせて使用することができ、インテリアオブジェとしても機能する。自らや家族、友人など人々の命を守る手助けを何十年と果してくれることを願ったプロダクト。
講評
作者は防災道具の一つとして注目されているホイッスルをデザインしているが、機能ツールとしてではなく、大空を自由に飛ぶ鳥は、縁を運び、嬉しい知らせをもたらす象徴として最適と考えているようだ。
一方、カナリアは毒ガスに敏感とも言われており、作者の広範なリサーチから編み出されたデザインは、誰もが「かわいい」と反応してしまう魅力に溢れている。
株式会社 布
デザインディレクター 須藤 玲子
何かあった時の緊急のものなのに、そう思わせない。まずそれが気に入った。このさりげない感じが、時代に合っていると思う。
D & DEPARTMENT PROJECT
代表 ナガオカケンメイ
プロダクトデザインの重要性の1つには、美しさと合わせて意外性が必要だと考える。そもそも緊急時に使うホイッスル(笛)なので、緊張感のあるデザインになりがちだが、親しみとユーモアを持ち合わせており、普遍的に長く愛されるデザインに仕上がっている。
株式会社 ウェルカム
代表 横川 正紀
防災用品は、使わないで済むことがベスト。けれども、万が一に備えることは大切なことだ。世の中には、つい防災色を感じてしまいがちなものが多い中、このデザインは人にも空間にもやさしい存在感で、もしもの時に備えてくれる。介護用ホイッスルとしても使えるし、置くだけでなく、壁掛けのことまできちんと考えている部分に好感を持った。使用しなければいけない場面でも、ふと心を和ませてくれる。そんな思いやりを兼ね備えた、永く愛されるプロダクトになるのではないか。
アッシュコンセプト
代表取締役 名児耶 秀美
最優秀賞
Canary Whistle
HCJ / ヒューマンコード・ジャパン株式会社
堀江 勇人
カナリアをモチーフにした防災用救助ホイッスル。地震大国の日本では防災意識が高く、以前から防災のためのプロダクトが考えられてきた。「Canary Whistle」は、かつて毒ガスを感知し人々に危険を知らせてくれたカナリアのように、自らの居場所や危険を周囲に知らせてくれる。枕元の壁やサイドテーブルに置いたり、鞄やポケットに入れて持ち運ぶなどシーンに合わせて使用することができ、インテリアオブジェとしても機能する。自らや家族、友人など人々の命を守る手助けを何十年と果してくれることを願ったプロダクト。
講評
作者は防災道具の一つとして注目されているホイッスルをデザインしているが、機能ツールとしてではなく、大空を自由に飛ぶ鳥は、縁を運び、嬉しい知らせをもたらす象徴として最適と考えているようだ。
一方、カナリアは毒ガスに敏感とも言われており、作者の広範なリサーチから編み出されたデザインは、誰もが「かわいい」と反応してしまう魅力に溢れている。
株式会社 布
デザインディレクター 須藤 玲子
何かあった時の緊急のものなのに、そう思わせない。まずそれが気に入った。このさりげない感じが、時代に合っていると思う。
D & DEPARTMENT PROJECT
代表 ナガオカケンメイ
プロダクトデザインの重要性の1つには、美しさと合わせて意外性が必要だと考える。そもそも緊急時に使うホイッスル(笛)なので、緊張感のあるデザインになりがちだが、親しみとユーモアを持ち合わせており、普遍的に長く愛されるデザインに仕上がっている。
株式会社 ウェルカム
代表 横川 正紀
防災用品は、使わないで済むことがベスト。けれども、万が一に備えることは大切なことだ。世の中には、つい防災色を感じてしまいがちなものが多い中、このデザインは人にも空間にもやさしい存在感で、もしもの時に備えてくれる。介護用ホイッスルとしても使えるし、置くだけでなく、壁掛けのことまできちんと考えている部分に好感を持った。使用しなければいけない場面でも、ふと心を和ませてくれる。そんな思いやりを兼ね備えた、永く愛されるプロダクトになるのではないか。
アッシュコンセプト
代表取締役 名児耶 秀美
優秀賞
OYUDOKEI
side inc.
大木 陽平
「OYUDOKEI」はお風呂で5分、10分、15分を測ることができる時計。お湯を(水でも)注ぎ入れるだけで使える。ゆっくりお風呂に浸かろうと思っても意外と早く上がってしまう入浴。その入浴時間の目安になる時計である。
講評
お風呂場と言う制限の多い環境の中では、様々な機能を持たせることで壊れやすかったりするもの。だが、そのなかでフォルムと機能性、またさらに安全性と普遍性を兼ね備えている。そこにすでに存在する別のマテリアル(お湯)を活用するアイデアは意外性があり、デザインとしても美しい。
株式会社 ウェルカム
代表 横川 正紀
水で時間を計ることは至難な業になることが予想される。カルキが付いてしまったり、水が最後まで落ちきらなかったり。長期間使うことを考えると、正確な時間を測ることは難しいかもしれない。しかしながら、シンプルにお風呂場でお湯を使って時間の経過を感じるという素朴さが、永く愛されていくプロダクトになり得ると感じた。誰もがリラックスしたいお風呂の中で、一日の句読点となり、時をやさしく流してほしい。
アッシュコンセプト
代表取締役 名児耶 秀美
優秀賞
OYUDOKEI
side inc.
大木 陽平
「OYUDOKEI」はお風呂で5分、10分、15分を測ることができる時計。お湯を(水でも)注ぎ入れるだけで使える。ゆっくりお風呂に浸かろうと思っても意外と早く上がってしまう入浴。その入浴時間の目安になる時計である。
講評
お風呂場と言う制限の多い環境の中では、様々な機能を持たせることで壊れやすかったりするもの。だが、そのなかでフォルムと機能性、またさらに安全性と普遍性を兼ね備えている。そこにすでに存在する別のマテリアル(お湯)を活用するアイデアは意外性があり、デザインとしても美しい。
株式会社 ウェルカム
代表 横川 正紀
水で時間を計ることは至難な業になることが予想される。カルキが付いてしまったり、水が最後まで落ちきらなかったり。長期間使うことを考えると、正確な時間を測ることは難しいかもしれない。しかしながら、シンプルにお風呂場でお湯を使って時間の経過を感じるという素朴さが、永く愛されていくプロダクトになり得ると感じた。誰もがリラックスしたいお風呂の中で、一日の句読点となり、時をやさしく流してほしい。
アッシュコンセプト
代表取締役 名児耶 秀美
優秀賞
KAWARA
山田 泰之
日本瓦の機能美をやどしたストレートプレート。日本瓦は確かな耐久性と、日本建築を美しくする優美な形状やテクスチャを両立する高い機能美を有している。この日本瓦の機能美を日常に利用するお皿として再構築。日本瓦の独特のいぶし銀の美しさを余すことなく伝えるために、シンプルなストレートプレート形状とした。奥行きのある独特のいぶし銀の美しいお皿は、和食も洋食も映えさせる。日本瓦の機能美を象徴するアーチ構造はプレート形状の美しさを際立たせるだけでなく、配膳のしやすさも両立する。
講評
日本瓦が持つ雄勁さをデザインの力でさらに美しく、新しい生命を吹き込んだ。気品を感じるシェイプと自然を感じさせる絶妙な色使いは、和食のみならずニューノルディックなどの現代的な料理も引き立てる。廃業が相次ぎ衰退してゆく日本の瓦産業の未来に一筋の光を見るような作品。
株式会社 アクタス
代表取締役社長 休山 昭
この商品を通じて、日本の屋根瓦への関心を抱ける。また、伝統品としての瓦の作り手がいま、どんな状況なのかを意識するきっかけともなる。こういうメッセージを持った超日用品に、可能性を感じる。
D & DEPARTMENT PROJECT
代表 ナガオカケンメイ
優秀賞
KAWARA
山田 泰之
日本瓦の機能美をやどしたストレートプレート。日本瓦は確かな耐久性と、日本建築を美しくする優美な形状やテクスチャを両立する高い機能美を有している。この日本瓦の機能美を日常に利用するお皿として再構築。日本瓦の独特のいぶし銀の美しさを余すことなく伝えるために、シンプルなストレートプレート形状とした。奥行きのある独特のいぶし銀の美しいお皿は、和食も洋食も映えさせる。日本瓦の機能美を象徴するアーチ構造はプレート形状の美しさを際立たせるだけでなく、配膳のしやすさも両立する。
講評
日本瓦が持つ雄勁さをデザインの力でさらに美しく、新しい生命を吹き込んだ。気品を感じるシェイプと自然を感じさせる絶妙な色使いは、和食のみならずニューノルディックなどの現代的な料理も引き立てる。廃業が相次ぎ衰退してゆく日本の瓦産業の未来に一筋の光を見るような作品。
株式会社 アクタス
代表取締役社長 休山 昭
この商品を通じて、日本の屋根瓦への関心を抱ける。また、伝統品としての瓦の作り手がいま、どんな状況なのかを意識するきっかけともなる。こういうメッセージを持った超日用品に、可能性を感じる。
D & DEPARTMENT PROJECT
代表 ナガオカケンメイ
審査員特別賞(6点)
休山昭賞
一生使える桐の衣装ケース
中村 歩
一人暮らしの際に、多くの人がPP素材の衣装ケースを購入する。しかし引っ越しを重ねるごとに、棚や箪笥の買い替えが発生し、衣装ケースをかなりの量廃棄しているということに気が付いた。
そこで、初めて購入する衣装ケースを、桐で作ることで、捨てたくならない衣装ケースをデザインした。かつてどの家庭にもあった桐箪笥を現代のニーズに合わせてデザインし、桐の持つ調湿、防虫機能と、衣装ケースのカスタマイズ性を兼ね備えた、新しい衣装ケースの提案。
講評
視覚的には大手量販店の収納ボックスと特段変わりがないとも言えるが、素材をポリプロピレンではなく、桐材を使ったところにデザインの妙がある。特に国産の桐は木肌がきめ細やかで美しく、機密性に富み、防虫効果、抗酸化作用があるので収納物を傷めない。国内の優れた技術を残し、しかも国産の桐材を使うことで外材に押される林業への貢献にも繋がる。
株式会社 アクタス
代表取締役社長 休山 昭
須藤玲子賞
回転するとフルーツになるコマ
西川 幸輝
色変わりコマは、盤面に描かれた色を混ぜ、初めてみたら想像できないような色の変化をつくってくれる簡易でありユニークでもある玩具であると言える。同様にして、色ではなく形を混ぜることで、ユニークな変化をもたらすコマを作れないかと考えた。このコマは、静止しているときは、何なのかわからない謎の物体だが、有機的な1本の線を回転させることでフルーツの形状が浮かび上がるというものだ。
講評
アッシュコンセプト15周年のコンペで入賞し製品化された「Kaze guru ma」を彷彿させるアイデアは、デジタルデザインツールを駆使したデザイン提案だ。指では回せないコマのようにも思えるが、これは主催者への果たし状ではないだろうか。回すための開発を促す未知の提案として、審査会場に笑みがこぼれた。
株式会社 布
デザインディレクター 須藤 玲子
ナガオカケンメイ賞
SHIMA-SHIMA
歌代 悟
粘着面と非粘着面が縞々になったクラフトテープ「SHIMA-SHIMA」。粘着面を半分に削ることで、「剥がしやすく、心地よい」「ハサミが汚れない」「環境負荷が小さい」という3つの価値が付加される。節電として天井の蛍光灯が半分取り外されていても全く問題なく過ごせているように、今まで当たり前と思っていたモノや機能が、実は余分だったのではないかという考察のもと、20年後も愛され続けるプロダクトであるために、余分を排除した、これからにちょうど良いプロダクトの提案。
講評
もし、この商品がヒットしたら、環境に影響している接着剤の使用が半分になる。こういう発想のものが大好きなので選んだ。何気なく、ものすごいことをしている商品の澄ました感じがたまらない。
D & DEPARTMENT PROJECT
代表 ナガオカケンメイ
横川正紀賞
輪っか石鹸
松岡 諒
通常の石鹸は平面が多く、手に触れる面積が大きいためとても滑りやすいもの。輪っか石鹸には、接地面積を減らすための空間があり、滑りにくくなっている。空間が出来たことで、指や手の微妙な凹凸を入れられるようになり、より動かしやすくよりつかみやすいものになった。子どもから大人まで、ずっと手に馴染み続ける石鹸の提案。
講評
これまで誰もが持っていた固定概念を見事に裏切る素晴らしいアイデア。穴を開けるというシンプルなアイデア(発想)により、子どもから高齢の方までが持つ様々な問題を解決する。小さなアイデアが大きなパフォーマンスを生んでいる。
株式会社 ウェルカム
代表 横川 正紀
下川一哉賞
spranger
相原 洸太
主に消臭剤や洗剤として家の様々なシーンで使われるスプレーボトルたち。彼らは使われる対象や置かれる場所は違えど、“家の中のキレイを守る” という同じ役割を持った頼もしい存在。「spranger」は、そんな彼らの繋がりや頼もしさをスプレーボトルのアイコニックな形状を活かし、風になびくスカーフをモチーフとして表現した。人とスプレーボトルの心の距離を近づける関係性のデザイン。
講評
20年後の未来を予測することは困難だ。むしろ現在起こっている社会や暮らしの変化を見つけ、そこに潜む問題や不快感をデザインで解消することで、10年後、20年後の未来を明るく描き、そこに生活者を導くことがデザインの役割ではないか? 「spranger」の一見小さな提案は、そんなデザインの可能性を私に感じさせる。
株式会社 意と匠研究所
代表取締役 下川 一哉
名児耶秀美賞
クリップ植物
くも そらと
100年以上も形を変えずに使われてきたペーパークリップが、意思を持つように進化したらどうなるだろう。このプロダクトはそんな発想から生まれた。ワイヤーの曲がり方一つによって、嬉しそうな、申し訳なさそうな、必死に気付いて欲しそうなクリップというふうに、まるでコミュニケーションを取ろうとしているように振る舞う。明日覚えておきたいことを机に残しておく時、プレゼントを渡す時、会社の同僚にメモを残す時など、これまで以上に活躍の場を増やし、長く愛されるのではないかと思う。
講評
これまで形を変えなかったクリップが、変化する。「変化するものだけが生き残れる」とよく言われる。これからの時代は、他とは異なるモノや事柄を受け入れていく時代だと考えている。みんな同じ形、そんな中に、ハートの葉っぱのように存在するクリップがあっても良いのではないか。あなたのメッセージを見つけやすくしてくれるかもしれない。変わることを受け入れ、楽しもう。
アッシュコンセプト
代表取締役 名児耶 秀美
審査員特別賞(6点)
休山昭賞
一生使える桐の衣装ケース
中村 歩
一人暮らしの際に、多くの人がPP素材の衣装ケースを購入する。しかし引っ越しを重ねるごとに、棚や箪笥の買い替えが発生し、衣装ケースをかなりの量廃棄しているということに気が付いた。
そこで、初めて購入する衣装ケースを、桐で作ることで、捨てたくならない衣装ケースをデザインした。かつてどの家庭にもあった桐箪笥を現代のニーズに合わせてデザインし、桐の持つ調湿、防虫機能と、衣装ケースのカスタマイズ性を兼ね備えた、新しい衣装ケースの提案。
講評
視覚的には大手量販店の収納ボックスと特段変わりがないとも言えるが、素材をポリプロピレンではなく、桐材を使ったところにデザインの妙がある。特に国産の桐は木肌がきめ細やかで美しく、機密性に富み、防虫効果、抗酸化作用があるので収納物を傷めない。国内の優れた技術を残し、しかも国産の桐材を使うことで外材に押される林業への貢献にも繋がる。
株式会社 アクタス
代表取締役社長 休山 昭
須藤玲子賞
回転するとフルーツになるコマ
西川 幸輝
色変わりコマは、盤面に描かれた色を混ぜ、初めてみたら想像できないような色の変化をつくってくれる簡易でありユニークでもある玩具であると言える。同様にして、色ではなく形を混ぜることで、ユニークな変化をもたらすコマを作れないかと考えた。このコマは、静止しているときは、何なのかわからない謎の物体だが、有機的な1本の線を回転させることでフルーツの形状が浮かび上がるというものだ。
講評
アッシュコンセプト15周年のコンペで入賞し製品化された「Kaze guru ma」を彷彿させるアイデアは、デジタルデザインツールを駆使したデザイン提案だ。指では回せないコマのようにも思えるが、これは主催者への果たし状ではないだろうか。回すための開発を促す未知の提案として、審査会場に笑みがこぼれた。
株式会社 布
デザインディレクター 須藤 玲子
ナガオカケンメイ賞
SHIMA-SHIMA
歌代 悟
粘着面と非粘着面が縞々になったクラフトテープ「SHIMA-SHIMA」。粘着面を半分に削ることで、「剥がしやすく、心地よい」「ハサミが汚れない」「環境負荷が小さい」という3つの価値が付加される。節電として天井の蛍光灯が半分取り外されていても全く問題なく過ごせているように、今まで当たり前と思っていたモノや機能が、実は余分だったのではないかという考察のもと、20年後も愛され続けるプロダクトであるために、余分を排除した、これからにちょうど良いプロダクトの提案。
講評
もし、この商品がヒットしたら、環境に影響している接着剤の使用が半分になる。こういう発想のものが大好きなので選んだ。何気なく、ものすごいことをしている商品の澄ました感じがたまらない。
D & DEPARTMENT PROJECT
代表 ナガオカケンメイ
横川正紀賞
輪っか石鹸
松岡 諒
通常の石鹸は平面が多く、手に触れる面積が大きいためとても滑りやすいもの。輪っか石鹸には、接地面積を減らすための空間があり、滑りにくくなっている。空間が出来たことで、指や手の微妙な凹凸を入れられるようになり、より動かしやすくよりつかみやすいものになった。子どもから大人まで、ずっと手に馴染み続ける石鹸の提案。
講評
これまで誰もが持っていた固定概念を見事に裏切る素晴らしいアイデア。穴を開けるというシンプルなアイデア(発想)により、子どもから高齢の方までが持つ様々な問題を解決する。小さなアイデアが大きなパフォーマンスを生んでいる。
株式会社 ウェルカム
代表 横川 正紀
下川一哉賞
spranger
相原 洸太
主に消臭剤や洗剤として家の様々なシーンで使われるスプレーボトルたち。彼らは使われる対象や置かれる場所は違えど、“家の中のキレイを守る” という同じ役割を持った頼もしい存在。「spranger」は、そんな彼らの繋がりや頼もしさをスプレーボトルのアイコニックな形状を活かし、風になびくスカーフをモチーフとして表現した。人とスプレーボトルの心の距離を近づける関係性のデザイン。
講評
20年後の未来を予測することは困難だ。むしろ現在起こっている社会や暮らしの変化を見つけ、そこに潜む問題や不快感をデザインで解消することで、10年後、20年後の未来を明るく描き、そこに生活者を導くことがデザインの役割ではないか? 「spranger」の一見小さな提案は、そんなデザインの可能性を私に感じさせる。
株式会社 意と匠研究所
代表取締役 下川 一哉
名児耶秀美賞
クリップ植物
くも そらと
100年以上も形を変えずに使われてきたペーパークリップが、意思を持つように進化したらどうなるだろう。このプロダクトはそんな発想から生まれた。ワイヤーの曲がり方一つによって、嬉しそうな、申し訳なさそうな、必死に気付いて欲しそうなクリップというふうに、まるでコミュニケーションを取ろうとしているように振る舞う。明日覚えておきたいことを机に残しておく時、プレゼントを渡す時、会社の同僚にメモを残す時など、これまで以上に活躍の場を増やし、長く愛されるのではないかと思う。
講評
これまで形を変えなかったクリップが、変化する。「変化するものだけが生き残れる」とよく言われる。これからの時代は、他とは異なるモノや事柄を受け入れていく時代だと考えている。みんな同じ形、そんな中に、ハートの葉っぱのように存在するクリップがあっても良いのではないか。あなたのメッセージを見つけやすくしてくれるかもしれない。変わることを受け入れ、楽しもう。
アッシュコンセプト
代表取締役 名児耶 秀美
総評
総評
今回、初めてアッシュコンセプトのデザインコンペに審査員として参加させて頂きましたが、300を超える応募数の多さに驚きました。そしてその全てに「ひとときの感情ではなく、人々の人生に長く寄り添い、いつまでも愛され続けるものを…」というデザイナーの想いが溢れていました。ビジュアル的に優れた作品もありましたが、今回はコンセプトに共感するものが多く、一つひとつ真剣に審査させていただきました。
株式会社 アクタス
代表取締役社長 休山 昭
感染症が世界中に影響を与えている最中に開催されたコンペティション。長く愛されるデザインを、日常に近いもの、暮らしに寄り添うもの、生活の中で感じたこと、環境のことなど、継続性をテーマとする300点以上の応募作品が集い、審査も白熱しました。最終審査に残った作品の評価は拮抗し、審査員どうしの議論はつきませんでした。最終的に選出されたデザインは、インスピレーションから可能性を見出し、その気づきを磨き上げることが原動力となった提案でした。まさに「20年後も愛せるプロダクト」のアイデアです。
株式会社 布
デザインディレクター 須藤 玲子
アッシュコンセプトのコンペだと言うことを、改めてしっかり認識して臨みました。素材が天然由来のものだとか、そうじゃないとかではなく、とにかく生活を楽しくしてくれるものかどうか。とても審査会自体が、楽しかったです。ありがとうございます。
D & DEPARTMENT PROJECT
代表 ナガオカケンメイ
今回はアッシュコンセプトの20周年ということもあり、応募作品はとても素晴らしいものが多かったことにあわせて、これまでの流れやアッシュコンセプトの大切にしている理念、スタイルを理解した応募が多かったことにも驚きました。また、生活の視点においてはコロナによって変化した生活スタイルや家の中での過ごし方、変わりゆく社会に向かった前向きな提案が多かったのも印象的でした。これからも永く残る素晴らしいデザインが生まれていくことを楽しみにしています。
株式会社 ウェルカム
代表 横川 正紀
不安や閉塞感が漂う現代において、我々はともすればうつむいてしまう。しかし、20年後、30年後の未来に決して絶望せず、笑顔で力強く歩んでいこう。そんな人々に今から使ってほしいと願って提案された製品やデザインに多く出合えたことが審査員全員の喜びであり、議論と討議を全員で繰り返し深めた審査会の真相でした。
株式会社 意と匠研究所
代表取締役 下川 一哉
創業20周年を迎えたアッシュコンセプトが、節目となる今回のコンペで掲げたテーマは「20年後も愛せるプロダクト」。審査員は、スタッフから希望の声があがった方々にお願いし、錚々たるメンバーの皆さんが快く引き受けてくださいました。集まったデザインはどれもレベルが高く、すべてを見終わるのに根気と時間がかかりました。審査員全員が作品と真剣に向き合ってそれぞれが受賞候補を選び、白熱した討議の中、今回の決定が行なわれたことをお伝えしたいと思います。デザイナーの思いや才能は、私たちの暮らしを楽しく、美しくしていくという実感の中、今回の審査を終えました。デザインなくして、地球の未来は築けないのではないでしょうか。
アッシュコンセプト
代表取締役 名児耶 秀美
審査員
休山 昭
株式会社アクタス
代表取締役社長
須藤 玲子
株式会社 布
デザインディレクター
ナガオカケンメイ
D & DEPARTMENT PROJECT 代表
横川 正紀
株式会社ウェルカム
代表
名児耶 秀美
アッシュコンセプト
代表取締役
下川 一哉
株式会社 意と匠研究所
代表取締役
〈審査会進行役〉
審査員
休山 昭
株式会社 アクタス
代表取締役社長
須藤 玲子
株式会社 布
デザインディレクター
ナガオカケンメイ
D & DEPARTMENT PROJECT
代表
横川 正紀
株式会社 ウェルカム
代表
名児耶 秀美
アッシュコンセプト
代表取締役
下川 一哉
株式会社 意と匠研究所
代表取締役
〈審査会進行役〉