審査員メッセージ -山下ひろみ

山下ひろみ
株式会社LOFT
MoMA事業部 ブランディング& クリエイティブディレクター

武蔵野美術短期大学デザイン学科卒業。西武百貨店(現・そごう西武)商品開発部入社。住商OTTO(現・オットージャパン)に転職後はMDディレクターとして買い付け・開発の舞台を世界各国に広げる。Spiegel社(米国)トレンドマネージャーを経て帰国後は三洋電機関連会社(当時)・新規事業アドバイザーに就任。ニューヨーク近代美術館(MoMA)と三洋電機を繋ぎ、MoMA誘致に成功。2003年MoMAオンラインストア、2007年表参道路面店オープン。以降日本側MoMAブランディングマネージャーを経て現職。

コンペ応募者へのメッセージ

MoMAが選ぶグッドデザインを17年間見つめてきました。その間SNSの普及とスマホは生活を一変させ、それに伴い選ばれる商品も、店舗の作り方も大きく変わりかつてないほどテック系アイテムが重要なカテゴリーになっていきました。一方、時代を経ても変わらない不朽の名作やアナログ時代を懐かしむ傾向も存在します。では何がグッドデザインなのか。つまるところ、MoMAは「グッドデザインとは、それがあることで使う人の生活が豊かで元気になるもの」としています。私も同じ意見です。応募者の多くの方はデジタル世代で、自分にあった情報をスマホで瞬時にかぎ分けて生活をしています。今回のテーマは「ひとめぼれ」。あふれる膨大な情報の渦の中で、今度はあなたが、”知らない誰かの心を一瞬で掴めるか否か”です。小さく纏めず、夢はデカく、人類愛に満ちた心と視点とユニークな発想で、おもわず”WOW!”となるアイディアが生まれることを期待しています。 

+dで「ひとめぼれ」したアイテム

アニマルラバーバンド
カオマル
スプラッシュ スタンダード

いづれもMoMAが選んだもので、日本のMoMAを立ち上げるため、お取引のお願いをしに一社づつ訪ねて歩き、h-conceptさんの当時まだ小さな事務所にも伺ったことがある。3つともなるほどMoMAが選ぶにふさわしい”新しい発想”があり感心した。しかし、自分自身が実際にお金を払って購入したものは、スプラッシュスタンダード。理由は一目で1)長傘の先がすっぽり刺さりそう 2)複数の傘を刺してもゴチャつかず、取りやすそう 3)狭い玄関のあの角に収まるだろう といくつものイメージが頭をよぎったから。今も使用しているが使いやすく非常にいいと思っている。

Animal Rubber Band

CAOMARU

SPLASH Standard

審査員メッセージ -山下ひろみ