デザイナーインタビュー:飯塚 尚さん

第1回目のデザイナーインタビューは、「Hetayoji」の飯塚さんです。2013年のMAUコンペで商品化となりました。

飯塚さんは2013年に東京造形大学 デザイン学科 室内建築専攻を卒業し、建築事務所勤務を経て、
現在は家具の設計等を行っています。

 

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MAUコンペに参加した理由を教えてください。

 

飯塚さん:転職活動中にインターネットでこちらのコンペを知り、MAUコンペの内容と私が作りたい物のイメージが
とてもマッチしており、ぜひそのデザインを世の中に広めたいと感じたので、応募に至りました。

 

事務局スタッフ:転職活動中に知ってくださったのですね。
MAUコンペは大学で勉強したことを実践できるコンペでもあります。
商品化したものはアッシュコンセプトのオリジナルブランド+d(プラスディー)から世界中に
デザイナーのメッセージやストーリーを伝えています。

 

 

Hetayojiを思いついたきっかけをお聞かせください。

 

飯塚さん:自宅でお昼のクッキング番組を見ているときに、「この食べ物は皮まで全部食べれます。まずヘタを取り除きます。」というフレーズにふと違和感を感じました。
ヘタは一種の果実のアイデンティティであると言っても過言ではないでしょう。なによりもそのチョコンとした存在がなんとも可愛らしいのです。
そういった、普段は取り除かれてしまうヘタを、逆に取り付けてしまうことで新たな果実が生まれ、食卓のコミュニケーションの中心になりえないかと思い、考えました。
どんな形状がよりヘタらしいのか、毎日スーパーに通いつめて観察し続けました。

 

事務局スタッフ:普段の何気ない生活の中での気づきがきっかけだったのですね。

 

 

 

実際に自分のアイデアが商品化して感じたこと・変わったことなどはありますか?

 

飯塚さん:私は大学でデザイン学科を専攻していたのですが、学生の頃は多少作りが複雑になったり、
使い勝手が悪かったとしても、自分の作りたい“作品”が多かったと感じております。
しかし、“商品”となると、そうもいきません。使い勝手やサイズ感、安全面、生産性など様々な点を熟考しなくてはなりません。
そういった検証の繰り返しによって、余計な要素がそぎ落とされ、自然と形が現れてきた。そんな印象を受け、
これこそが“デザイン”という行為なのだと気づかされました。

 

事務局スタッフ:最初は色々な形の“ヘタ”を提案してくださいましたよね。
そこから、実際に使用することを考えると自然と形が決まってきて、
シンプルながらもかわいらしい、とても良いデザインになったと思います。
時にはアイデアを思い切って捨てることもより良いデザインにする為には必要なのかもしれませんね。

 

 

MAUコンペに参加する方々へ一言!

 

飯塚さん:MAUコンペは、『何気ない日常をデザインで彩る』そんなことを考えるキッカケを与えてくれます。
最初は些細な発見かもしれませんが、いかにその小さな世界に没頭し、広げていけるかが大切なのではないでしょうか。

 

事務局スタッフ:デザイナーでありながら、自分も使用する消費者だからこそ、親身になってデザインを熟考しながらも楽しめるのだと思います。

 

飯塚さん、この度はインタビューにお答えいただき、ありがとうございました!
次回は6/20の更新を予定しております。

 

 

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飯塚 尚(Sho Iizuka)

1991年新潟生まれ。
2013年 東京造形大学デザイン学科 室内建築専攻 卒業。
建築事務所勤務を経て、現在は家具の設計を行う。

 

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Hetayoji

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